絵本は作家にとって外部的な強制の少ない、純粋につくることができる数少ないジャンルではないか、と思っている。
思い立ったら今日にでもつくれるような気軽さを漂わせているところが、とても素敵だ。(実際には、そうはいかなくても)
自分の子供のために絵本をつくった、などという話を耳にすると、単純によいなあ、と思う。
建築にはいろんなタイプの設計者がいるが、学生のとき、ぼくはstory tellerと呼ばれていたから、ぼくの設計の仕方は、絵本を描くことに似ているだろう。
それを読んだ(見た)人の受け取る幅が著しく広いことも、空間に似ている。
ぼくは絵本を描かないだろうが、絵本を描くように空間をつくり続けたい。