gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

同一性

過去の自分のことを思い出して、まるで自分ではないかのように感じることは、誰にでもあるのではないだろうか。

例えば、それが勇気ある行為だったりすると、こんな自分が本当にやれたのかなあ、と疑問を感じたりする。

また、例えば、それが犯罪的行為だったりすると、罪の意識を自覚できない、と感じたりするだろう。

小松川事件の犯人、李珍宇は次のように述べているそうだ。

「私の頭にいつも残っていた問題は、体験が『夢』のように感じられることだった。若しも私達が何か或ることをして、それが過去になると同時に『夢のように』感じるとしたら、それに対して何か現実的な感情を持てと云われても困ってしまうにちがいない。」(柄谷行人『畏怖する人間』の引用から)

彼は、被害者たちに対して罪の意識を感じることはなかった、とwikipediaには書いてある。

(つづく)