gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

「もの」と「こと」

「もの」をつくる仕事をしていると、当然のことながら、場所が必要になる。もし、無際限に場所があれば、そこらじゅうの気になるものをスクラップヤードのように集めて、空間づくりに使いたいものを毎回そこから選び出す愉しみを享受するだろう。

東京の真ん中で仕事をする、ということが、それを難しくしている。

周囲は「もの」ではなく、「こと」を仕事にしている会社ばかりだ。東京で「もの」を扱うのは、ある種の息苦しさを伴うといってもよいだろう。

そこで、「もの」づくりを外に任せて、「こと」を扱うことにより、すっきりとスマートに生きていこうという発想が生まれる。

雨が降りそうな日に、折り畳み傘を持ち歩く発想と同じだ。

私は、そんな日に、番傘を持ち歩くことにしている。あえて、重くて大きなものを持ち歩いて、その方が人生を愉しくする、ことを自分に対して確認しているのかもしれない。

「もの」の存在なくして、「こと」の質を上げることはできない。

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