今年度から中学校の体育の授業でダンスが必修化されたことを遅ればせながら知った。
いくつかのダンスの中で、hip-hopダンスを採り入れた学校が最も多いらしい。
ストリートの文化が、義務教育の中に入っていくことをまずはシンプルに歓迎したい。
しかし、なにか気持ちの悪さも漂う。
私が中学生だった頃、40代以上の先生方は、まず私たちの世代の文化(例えばロック)を理解しない頑固じじいばかりで、中学校へそんなレコードを持ち込むことすら禁止されていた。
それを、そんなものだと思っていたことは、実はさほど不快ではなかったのだ。むしろ、理解をしない大人たちの存在が、自分たちの文化を創造しよう、というモーチベーションにつながっていたのではないか。
学校という場所が、暗黙のルールで、実社会から切り離されていたことは、私たちのバランス感覚を育てたような気がする。
当時の音楽の授業でビートルズの曲が教えられたことも、大人たちの迎合としか捉えていなかった。つまり、大人たちには本質なんてなにもわかっちゃいないんだ、と。
だから、文部科学省がhip-hopを理解しているなんて気持ちの悪い想像はやめよう。私たち大人は君たち中学生の本質なんてなにも理解できないんだから。
時代を築くのは、いつも新しい世代だ。そして、それがあるべき姿だ。