感性とはなんだろう?
感性とは、ものごとを言葉を介さずに直感的に判断する力といえばよいだろうか。
われわれは物事を判断するとき、認識的(真か偽か)、道徳的(善か悪か)、そして、美的(快か不快か)という、少なくとも、三つの判断を同時にもつ。それらは混じり合っていて、截然と区別されない。(柄谷行人『トランスクリティーク』)
仮にこの三つの判断があるとすれば、このうち美的判断は感性によってのみなされうるのではないか、と思う。
美的判断においては、事物が虚構であるとか悪であるとかいった面が括弧に入れられる。(柄谷行人『トランスクリティーク』)
元々、私は人が構成的につくり上げた完成物よりも、意図を介さない部分を含みこんだようなものを好む。そのため、あるものを見るときに、それに対する通常の諸関心を括弧に入れて、知性ではなく、感性を働かせて向き合う。