1990年、コーエン兄弟監督。
いくつかコーエン兄弟の映画を続けて観たが、浮かび上がってきた共通点は、主人公は「真実」というものにはこだわらない、ということだ。
それぞれの人間の解釈によって、真実はねじ曲げられる。主人公は、自分に対するものも含めて、誤解を解こうとはしない。言い訳を一切しない。
結局、主人公は自分が望んでいる未来を実現する。誤解は誤解のままで過ぎていく代わりに・・・。
私たちは、いつも真実にこだわるべきなのだろうか?それとも、よりよい未来につながるならば、嘘や誤解を許容すべきなのだろうか?
この魅力的な主人公を見ていると、後者でもよいのではないか、という気持ちに傾いてしまった。