gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

自覚症状なし

20歳の頃、アフリカの旅から帰ってたら、すぐにA型肝炎を発病した。

即刻、大学病院に入院。初日のベッドに、「アフリカからこの青年は何を持って帰ってきたのだろう?」と興味津々な顔をして、たくさんの医者がやってきた。やがて、ただのA型肝炎だということが分かって、誰も私の病気に興味を示してくれなくなった。良くも悪くも、大学病院だった。

肝炎は贅沢病といわれている。その理由は寝て動かないことが唯一の治療法だからだ。食事の制限もない。

そのうえ、自覚症状はほとんどない。

20歳の男には、これは一つの苦行である。診療のために移動するとき、看護婦さんが車椅子を押してくれる。たぶん、このまま1500m走れると思いながら、車椅子の上でじっとしている。

そんな日が40日も続く。

アフリカで同じ肝炎を発病し、アフリカで入院したYちゃん(女の子)から、「肝炎おめでとう!」と書いた手紙が届く。

おめでたい病気は、苦痛だ。

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