グリッドフレームの「創造性の連鎖」の問題点は、それぞれのつくり手のオリジナリティに対する認識のズレである。
私は、オリジナリティとは証明されるべきものではないと思っている。自分にとって新しいものが、世の中にとって新しいものであるとは限らない。アメリカの設計の授業で、その設計が誰かをマネしたものであると学生が攻撃を受けているのを何度も目の当たりにした。が、私はその人にとって新しいものであればよいではないか、と思いながらそれを見ていた。
要は、誠実であることが大切だ。誠実であるとは、邪念なく自分がやりたいことをやる、ということだ。オリジナリティは、今までどのようなことがなされたか、という知識を必要としない。単に、誠実な探究心のみを必要とする。
もっと言えば、誰がそれを考えついたかなんて、どうでもよい。それが世の中をよい方向へ運ぶかどうか、が問題だ。
グリッドフレームの空間は、００１のオリジナルですか？と聞かれることがあるが、それは全く違う。全員のオリジナルだ。設計、制作、コミュニケーション。つくる過程のすべてにオリジナリティを生み出す契機がある。
← グリッドフレームのHPはこちらです
← ランキングに参加しています クリックありがとうございます
