陽向がsparklezというおもちゃに夢中である。いや、正直に言えば、私が夢中である。
８年ほど前に出張先の京都で見つけたおもちゃで、今回の引越しで再発見されたものだ。引き出しの隅で、すっかり錆びついていたので、妻が「捨てようか」と言った。ゼンマイを回してみたらほとんど動かなかったが、意地になって何度も繰り返しゼンマイを回しているうちに、少しずつ動き始めた。
やすりになっている円盤の上で金属が回って火花を出して、よろよろと体を揺らしながら進むサマがなんとなく悲壮感漂って、笑える。錆びついている体が新品のときよりもずっと人間を彷彿とさせる。
うれしくなって、陽向に見せると大喜び。もっと、完璧なパフォーマンスを見ようと、クレ５５６を吹きつけると、激しく回りすぎて、自分で転んでしまう。そして、倒れたまま、どたばたと暴れる。
ちょっと行き過ぎて、悲壮感というよりも、悲惨な感じがしてきた。
今日の教訓。ゼンマイのおもちゃには、潤滑油はほどほどに。
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