gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

地震

今日の地震は、中目黒のクライアントの事務所で打合せ中に起こった。最初は話に熱中していて、気にしていなかったが、10秒以上経って止むどころか、揺れが増幅してきたので、外に避難した。周囲の多くの方も外に避難していた。どこにスピーカーがあるのか、目黒区の震度が5弱であることや不用意に外へ飛び出さず、火の元を確認するように、という内容の放送が流れていた。

青山オフィスの様子を聞こうと携帯から電話したが、通じない。この程度の揺れで電話が通じなくなってしまうのか、と阪神大震災の頃から通信網は改善されているのか、疑問に思う。

地震が終わっても、しばらく体が揺れているように感じたため、本当に終わっているのか、よく分からなかった。

やがておさまったので、建物内に戻り、打合せが続行された。何度か余震があったが、今度はさほど気にはならなかった。充実した打合せを終えて、青山のオフィスへ帰るために駅へ向かった。

向かう途中で、ワンセグテレビを見ながら「車が流されている・・・」などと話している人の横を通り過ぎつつ、どこの話をしているんだろう、と聞き流しながら歩いた。

中目黒の街の様子は、一見いつもと変わらない。しかし、中目黒駅に着くと、東急は全線運転を見合わせている、という。駅には人がごった返し、貼り紙もしていないため、私たちはしばらく状況がつかめなかった。

スタッフ002と、「この程度の地震で、東京の交通は麻痺してしまうんだね」と話しながら、タクシーを拾おうとするが、どうやら、空車を探すのは至難の業のようだったので、青山まで歩くことにする。

恵比寿を過ぎた辺りで、カフェで遅い昼食をとろうとするが、どのカフェも満員である。電車の運転再開を待つ人たちが、みんなカフェになだれ込んだようだ。

カフェに入ることができずに歩き続ける。交通手段がないため、歩いて移動する人がいつもの何倍もいる。だが、みんな結構楽しそうに、この非日常の時間を過ごしているように見えた。

青山オフィスに帰りつくと、スタッフ007が無事に迎えてくれた。サンプルが落下するなど、オフィスはいくらか散らかっていた。が、大したことはない。

IP電話で工場のIP電話へ連絡。NTTや携帯からはつながらないが、IP電話はつながることが分かる。制作スタッフもみな無事とのこと。

もうひとり、現場に出ているスタッフ009の携帯へIP電話から連絡。つながることを期待していなかったが、予想に反してあっさりつながる。現場も被害はないとのこと。とりあえず、これで全員の無事が確認された。ほっとする。

ここで初めてインターネットで地震の災害状況を知る。東北では地震のみならず、津波の被害が甚大であることを知る。

家へ帰れない友人が訪ねてきて、ホテルもすべて埋まっているため、青山オフィスに泊ることになる。夜が寒くならないことを祈る。

18時過ぎ、会社を出る。陽向は、保育園から、近くの小学校に避難していることを知る。小学校には、たくさんの保育園・幼稚園・老人施設などの避難所となっていた。保育園の先生に、「ご無事でよかったです」と言われ、結構大きな地震だったのだな、と感じ始める。

青山通りの歩道は、渋谷方面へ向かう人で大混雑していた。みんな歩いて家へ帰るつもりなんだろうか。

コンビニに寄ると、ここも大混雑で、みんながカップラーメンなどを買っている。オフィスに泊りこむ人たちだろう。

家に帰りつくと、柱に立てかけていた大きな鏡が2枚倒れて割れていた。積み上げてあったショーケース2台も落下して、入っていた食器やガラスがぐちゃぐちゃになっていた。今日見た中では、もっとも大きな被害である。

それを片づけて、23時を過ぎる。テレビでは、石油コンビナート炎上の様子や町をそのまま押し流す大津波の様子を繰り返す。今、大変な状況にいる全ての人が安らかな眠りに就かれることを祈って、おやすみなさい。