私たちの大半はそれぞれの一生の中で、自分にとっての専門分野だけを知り、その他はさほど知らない中で一生を終える。
専門分野以外についても知る能力を持っていたとしても、そこまでは手を出すことは少ない。
逆にいえば、それでも生き抜くことができる。必ずしも勤勉である必要はないのだ。
カントは知る能力がありながら、それを知らないことによって犯す罪は、犯した人間に責任がある、と書いた。
そう、怠けているのだから、責任はとらねばならない。それは肝に命じておかなければならない。
だが、現実、専門バカでも生きていける。私たちはそれだけでも、幸せな世界に生きていることを自覚すべきだろう。
せめて、専門についてだけは突き詰めなければ、罰が当たる。