どのようなことにおいても、未来を思い描くとき、「する」という視点で考えるときと、「なる」という視点で考えるときには、全く別の答えが導かれるだろう。
「する」という視点で考えるときは、人間を条件で見る。これができる、これはできない、などと考えていくと、どうも目的を遂げることが不可能に思えてきたりする。たいていの場合、不安な気持ちになる。
一方、「なる」という視点で考えるときは、人間を必然としてみる。出会いというコントロールできないものに身を任せようという気持ちになる。なんでもやれそうな気持ちになる。
二つの視点は、バランスよく同居していた方がよいだろう。
カントが「他者を手段としてのみならず、同時に目的として扱え」と書いていることも、このことに関係あるのではないだろうか。