小学校の低学年の頃、キカイダーはテレビに登場した。2歳上の姉が、「頭にゴミが入っとーよ」と言って、ケラケラ笑っていたのをよく憶えている。
頭の中の機械がガラスやアクリルの向こうに見えているという、最近はごく当たり前になったデザインの先駆けだったのだろう。我が家においては、それは、姉の大笑いによって迎えられた。
それから、20数年経って、私は、本当のゴミを格子の中に入れて、茶室をつくった。格子のシステムをグリッドフレームと名付けた。
「壁にゴミが入っとーよ」と言って、ケラケラ笑われてしまうようなものに、人生を賭けることにしたわけである。
なんだか、不思議な気持ちになってくる。