gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

マテリアルス・コンセプト

店舗の企画・設計を長くやっていると、好不況に関係なく、店舗に「個性」を求める人々(カスタマー)は増え続けていることを感じます。「個性」とは、商品の個性だったり、店のオーナーやスタッフの個性であったり、店のコンセプトの個性だったり、商空間の個性だったりするわけですが、それがなんであれ、人々はなにかしらの「ひっかかり」を求めていると言えるでしょう。

自分の心に「ひっかかり」を感じるものを選ぶ。

それは、商品の種類が増えすぎて、すでに全ての種類を網羅し、そこから購入するものを決定していく、という従来のプロセスをあきらめてしまっているからです。全ての情報を追い求めても、情報量が多すぎて、頭の中が混乱してしまう。結局、一番確かなものは、「ひっかかり」という自分の直感なのだ、とする人々が増えているのです。

「どのような基準でものを買うか」は、ライフスタイルの表れです。周囲に個性を求める人は、自分に個性を求めます。好不況に関係なく、個性が求められているということは、この傾向は、今後もずっと続く、ということだと思います。

現代アートは、常に「新奇性」を追求してきました。作品の価値は、いかに新しいか、で決まります。つまり、現代のアーティストが目指すところは、「世界にひとつしかないものをつくる」=「個性をつくる」ことだと言い換えてもいいと思います。アーティストと店舗空間の目指すところは一致するのです。

「世界にひとつしかないお店をつくる」という目標を掲げて、現在までに200件以上の斬新な店舗空間をつくってきたグリッドフレームは、まさに、店舗空間の中に個性を実現してきたと自負しています。

なぜ、グリッドフレームは、個性的な空間を実現できたのか。それは、スタッフ8人全員がアーティストとして、創造的に空間をつくっているからです。しかし、スタッフ8人で、企画・設計から施工までを行っていくには、つくれる量に限りがあります。実際、施工の時期が重なるために、お断りしなければならなかった物件は数知れません。

「世界にひとつしかないお店」を求めるたくさんの声にお答えするために、私たちは、オリジナルであることにこだわり続けるアーティストたちと一緒に店舗空間をつくっていくことを構想しました。それが、マテリアルスなのです。