gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

落葉の雨

12月5日前後になると、外苑のいちょう並木には、変化が訪れる。

それまで、少しずつ落としていた葉を、まるで決心したかのように、一気に落とす。一晩のうちに、ほとんどの葉を落としつくしてしまう。それは、まるで雨のようだ。

あの木が雨のように葉を落とし始めたかと思うと、次はこの木が雨のように葉を落とし始める。それは、まるで会話をしているかのようだ。

葉は落ちるものではなく、落とすものだ。落とすためには、力が必要だ。懸命になって葉を落とすときの、バラバラという音が、静まり返った初冬の夜に響き渡る。