gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

メリエスの月

現在、横浜市に「メリエス」という名のパン屋さんを制作中。

オーナーが映画がお好きで、「メリエス」とはジョルジュ・メリエスという映画創生期の製作者の名である。

月世界旅行」をyoutubeで観た。100年以上前の世界最初のSF映画である。

科学者たちは巨大な砲弾型ロケットに乗り込んで月へ向かって打ち上げられる。月には顔があって、その目のあたりにロケットが突き刺さる。思わず月は顔をしかめる。月の地中にはたくさんの月世界人がいて、捕らえられて王の前に連れて行かれる。隙を見て、王をやっつけて、ロケットへ逃げ込み、地球へ帰る。

この映画がつくられたのは1902年。アポロ11号月面着陸の67年前である。現在はそれからさらに40年が経過している。

現在と100年前では、テクノロジーの差は歴然としている。まだ、月のことはほとんど何もわかっていなかったころの話であろう。しかし、今でもこの作品を面白いと感じられるのは、彼の新しいものに注ぐ情熱がまっすぐに伝わってくるからだろう。

メリエスは、特殊撮影の技術を追求する中で、徐々に飽きられ、最後には破産してしまう。晩年は駅の売店で売り子をしていた、とどこかに書いてあった。

しかし、この作品をつくったときのメリエスのようにありたい、と願う人々は永遠に存在し続けるだろう。