国連の安全保障理事会で「核兵器のない世界」を目指す決議が全会一致で採択された。
アメリカが原爆の実験に成功したとき、最重要の国家機密は、原爆の設計図よりも実験に成功したという事実そのものだったそうだ。実現可能である、という情報こそ、他の国での核兵器開発を飛躍的に早める力を持っていると恐れられていたらしい。
それから６０余年が過ぎて、ようやく今回の決議がなされた。世界はついこの間まで、この決議を実現不可能と思っていたのではないだろうか。
｢どうせ無理」と何となく理由も分からずにあきらめられていることが、この社会にはたくさんあって、「どうせ無理」とあきらめることが大人の条件みたいなところがなかっただろうか。
オバマ大統領の出現によってなのか、水面下で長い時間をかけて準備をしてきた人々がいるからなのか、分からないが、急ピッチで「どうせ無理」だったことが覆されていくのを目の当たりにしているような気がする。
今は、核兵器のない世界が実現可能である、ということをたくさんの人が信じることによって、その日が来ることが飛躍的に早まる、という局面にいるに違いない。
