gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 ヘブンズ・ドア

ホテルのテレビで「ヘブンズ・ドア」という日本映画を観た。あと数日しか生きられないと宣告された脳腫瘍の若い男が、病院で知り合った末期ガンの女の子を連れて、彼女がまだ一度も見たことがない海を見せるために旅をする、という内容。

シンプルなストーリーが寝る前の気分にぴったり、と思った。その点は、見終わった後も不満はない。

だが、よくあるテレビドラマのように軽い映画だった。考えさせることもないし、考えること自体ばかばかしくなるくらい余計なものが多すぎる。主役二人の熱演にもかかわらず、ずっしりと来るものがない。時間がテーマにも関わらず、切羽詰った時間をどこにも感じさせない。出来事の一回性すら表現できなくて、このテーマはないでしょ。

テレビドラマは瞬間視聴率を獲得するのが至上命令なのだろうから、足し算でつくっていくのはある程度仕方がないのだろう。こちらも作品性を期待しない場合が多いし。しかし、映画は引き算でつくるものではないだろうか。

そういえば、似たようなストーリーがNHKの「大草原の小さな家」であった。小学生の頃に観たのに今もそのときのシーンを克明に憶えている。

余計なものがなければよかったのに。