gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

夏至(=太陽が最も長く照りつける日)が過ぎて数週間経って、やっと夏が本番になる。つまり、夏が本番になる頃には、太陽はもう背中を向けている。

地軸が傾いていることによって生じるこの事実は、人間に大きな心理的影響を与えてきただろう。

例えば、夏と恋は相似的な関係にある。恋が本番になる頃には、恋人はもう背中を向けている。気づいたときには、もうそこにはいない。それが自然であるならば、誰がそれを変えることができようか。

子供の頃、夏休みが始まる時期であるにもかかわらず、漠然と寂しかったのも、きっとこのせいなのだろう。

みんな少し遅れてやってくるのだ。

それをよく知っていたのは、むしろ子供の頃だったのかもしれない。

今年も、夏が少し遅れてやってきた。