故郷へ帰るアルバイトさんが挨拶に訪れてくれた。一年余り、制作の現場を明るくしてくれた、いつも陽気で、気の利く、誰にも好かれる稀有の存在だった。
故郷で家業を継ぎ、なおかつ、そこに新しい何かを足していこうと考えているそうだ。彼の将来が楽しみだ。
この会社を始めたときは、どうだったんですか?と問われて、当時を思い出してみた。
自分がやろうとしていることのうち、何が商品として社会に受け入れられていくのか、分からないまま、唯いろんな人へ一生懸命自分の考えていることを伝えようとしているうちに、いろんな人に出会い、助けられ、なんとなくかたちができあがってきたことが改めて思い出された。
誰もが程度の差はあれ、そのようにして生きているのだろう。昨日と明日は、今日の出会いなしにはつながらない。
ある人との出会いの意味は、それが十分に昔の出来事にならなければ明らかにならない。
彼との出会いもそうだろう。どうか、お元気で!