屋上が欲しい。たまらなく欲しい。
太陽と雨と風に晒された場所に、いろんなものを置いて、それが変化するさまを、毎日、きっちりと写真におさめ、標本のように並べたい。
子供のころ、家族旅行したときの親父の車の色は、紫外線で色あせた赤だった。あんな色の車は、もうどこにも見られない。写真が古くてセピア色をしているせいもあるが、現実にもセピア色をしていた。
塗料が改良されて、褪色がしなくなった、というが、最初の色がそのまま変化しないことに何の価値があるのだろう？？？それを「改良」と呼ぶのはなぜか？？？
では、「改良」される前の塗料をつくって、いろんなものを塗って、屋上に並べたい。そんなものに囲まれる時間を過ごしたい。
太陽と雨と風に晒されたしるしを見たい。
