いつの間にか陽向のことで一喜一憂するループからは脱している。
陽向がどんな状態にあっても、陽向の心根を信じることができている、ということだろうか。
やわらかい陽向でいられる時間は、確実に延びている。何よりも、表情が優しくなってきた。
彼の中にブレーキは確実に存在するし、それを踏むタイミングを調整できればよいだけだ。
日に日にひどくなるように見えることがあっても、もう慌てない。
むしろ、彼はその行為によって、他のより有害な行為に抑制をかけているのがわかるからだ。
彼は自らの意志で、その行為を選び取っている。それができるくらいに、体調は回復してきている。
君は大丈夫だ。
彼が上っている階段の障害になることのないよう、自分の立ち位置を確認しながら伴走する。