gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 あの子を探して

1999年。チャン・イーモウ監督。

 

中国の農村の小学校で代行教師を務めるウェイが、都会へ出稼ぎに出された生徒ホエクーを探しに、都会へ出る。

 

中国人の心理が私たちよりも単純構造をしているように感じてしまうのは、ひとつには彼ら独特のヒステリックなやり取りを家の外でもしばしば見かけるからだろう。柄谷行人が「近代文学の起源」で書いているように、日本の古典でもそうだが、映画の構造として現代私たちが見慣れているような透視図法的な配置を感じられないために、感情移入ができない人が多いかもしれない。

 

貧しい村の生活と都会のモノ社会の生活の対比という単純な構図を読み取るだけでは得るものが少ないが、この映画から感じ取る違和感を細かく分析していくには、格好の資料になりうる映画ではないか、と思う。