1998年。森 達也監督。
一月ほど前、リアルクローズの四元さんと飲みに行ったときに、「今これ読んでました」と文庫本を渡されたのが、「それでもドキュメンタリーは嘘をつく」という森監督の書いたものだった。
いろいろと共感することがあって、では代表作のオウム真理教の事件後の荒木広報部長に密着した「A」から観ようと思い、それが届いた今日、麻原彰晃は処刑された。
ぼくは、今日この映画を観なくてはならない、と思った。
世界は正義と悪の二元論では片付けられない、という当たり前の事実を、映像で突き付けられることの意義はやはり大きい。
偏見。・・・共同体がスムーズに機能していくためには、二元論を押し付けた方が手っ取り早い。ファシズムに近づくほど、偏見の度合いが大きくなる。つまり、カテゴライズに熱心で、中身を見なくなる。
だが、それではネガティブ側にカテゴライズされたものは、絶滅してしまうのか?
絶滅してしまうこともあるし、そうならないこともある。
どのようなときに、そうならないのか?