2006年。ムラーリ・K・タルリ監督。オーストラリア。
タルリ監督は、当時19歳だったそうだ。ぼくが19歳のときに、何ができただろう?
手法に「エレファント」というお手本があったのは大きいだろうが、それでもすばらしい。
自殺したのはだれか?登場人物は、等しく大きな問題を抱えている。
その問題の大小を比べて、ドアから流れてくる血の主は誰か、と想像しながら、映画を観る。
外から見て、いかに死ぬ理由があるように見えても、内は比例しない。
ある者は、自殺したその人がうらやましい、と言うくらいに、現実をつらいと思っているが、それでも死なない。
フッと人は消えてしまうことがある。
ぼくも高校3年生の頃を思い出した。
彼の名前も、表情も、弾いたピアノの調べも、どれも鮮明で、忘れない。