森の奥深くに小さきものの町がある
少し遠くからでも、
いくつかの木の上に
ほんわりと個々の家の灯りが浮かんで見える
彼らの生活を見たいと思うなら、
物音を立てないように
ゆっくり近づいていかなければならない
そして、ぼくの体の大きさに、
彼らが怯えることのないように
そうっとのぞき込まなければならない
小さきものが大きな世界に対して抱く怖れの感情は、
彼らに自分たちが生かされた存在であることを悟らせ、
それ以上を求めない清廉の心を生むのだろう
小さきものたちの踊る姿を見て、それらの歌に耳をすます
その家の中には、心があった
そのとき、小さきものでありたい、という希いがぼくの中に生まれた