gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

他者にゆずる

子供の頃、テレビのCMで、雨の降る狭い路を芸者さんと見られる人が和傘をさして向こうからやってきて、すれ違うときに、避けようとして和傘がこちらを向いて右へ左へ何度も動いた後、ようやく傘を上げてその美しい笑顔が現れる、というシーンがあったのを鮮明に憶えている。

路を他人へ譲ろうとする行為に、日本の美を感じて、とても好きな映像だった。

自分が動くときに、同時に、他人のためのスペースを確保することに意識がいくような心のありようが、これからの社会をつくっていく中で、実はキーとなるのではないだろうか。

つくる行為の中で、任された自分は、一切の妥協をせず、やりきる。そして、最後に、つくったものを完全に手放すこと。

それが、他者へゆずる最も美しい方法であり、他人のためのスペースが確保される唯一の道ではないか。


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