現在、熊本県八代市でサロン+カフェを建築の基本構想から進めている。
グリッドフレームにとっては初めてのことで、いろんな新鮮な体験をさせていただいている。
スケルトン、インフィルという言葉が流行ったのは、もう20年くらい前のことだが、ぼくらはスケルトン=躯体さえあれば、どのようなインフィル=内装も自在につくってきた。
だから、今回も躯体を先行させて、内装はゆっくりと自由に構想したい、と考えていた。
だが、躯体をつくるためには、あらかじめ内装を細かく決定しないと建築確認が得られにくい現状があるようだ。
結果として、つくりながら考える、というアーティストのつくり方を適用することが難しくなっている。
コストや手間を削減するには、最初にできるだけたくさんのことを決めてしまったほうがよいことが多いが、それと創造性の連鎖は逆の方向を向いている。
未来は真っ白なキャンバスとして広がっていること。それをこのようなケースでも感じられるような方法を探りたい。