gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

押し花

旅先で路傍の花を摘み、読みかけの本に挟んで、しばらく経ってから家族への手紙に入れて送る。

以前は、そんな美しい習慣が生きていた頃があっただろう。

押し花に込められた想いのやさしさに、ふと触れることがある。古い本を開いたときだ。

ぼくは目をつむり、遠い過去に遡って、その人が花を摘む様子を想像する。

心にひとすじの風が吹くのはそんなときだ。



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