1979年。アメリカ。
ショービジネスの大物振付師であるジョーのプレイボーイぶりがよい。麻薬を常用している生活は、いつしか彼の心臓を蝕み、病に倒れる。
死をエンターテイメントとしてミュージカル仕立てに表現する、ということが当時新しかったのだろう。ある時代に新しいものは必ず古くなる。
その古さは、必ずしも不快なものではないが、どこか直視するのが気恥ずかしいようなところがある。
私はつくる空間に新しいものを入れたいとは思わない。
主役のロイ・シャイダーの顔は、古さを感じさせない。映画俳優として、好きなタイプの顔だ。確か「ジョーズ」では、ロバート・レッドフォードで話が進んでいたのに彼が主役に決まった。この映画でも、制作側はリチャード・ドレイファスを推したが、彼に決まったらしい。なにか、そんなタイプの顔の持主である。