振り返って陽向の方へ目をやると、今も自分のつかみたいものをつかもうとして手を伸ばしている。あそこじゃ届かないなあ、と思いつつ仕事に戻る。けれど、次に振り返ったときには、もうそれを手にしている。
きっと、ぼくらもそのようにして生きてきたのだろう。手を伸ばして、つかもうとすること。そこから、全ての未来は開かれる。
そういえば、陽向という名前も、陽の差す方へ向かって手を伸ばす姿をイメージしてつけた名前だ。
そんな君を傍らに見ながら、ぼくらも、つかみたいものをつかもうとして手を伸ばしつつ、これからも生きていくね。
