gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画と闇

映画は、DVDを借りて、白い壁にプロジェクターで投影して観る。暗い場所で観るのが映画、明るい場所で観るのがテレビだと思っている。

以前にも書いたが、萩生田監督と飲む機会があったときに、「映画とは、半分は、フィルムのコマとコマの間にある暗闇を観るものだ。」とおっしゃっていた。DVDでは物理的に闇が存在しないのかもしれないが、映画と闇との関係は本質的であると私は理解する。

白く浮かび上がったスクリーンの周囲に広がる無限の闇は、ときとして、ひたひたと自分に迫ってくるかのようだ。闇は、死である。映画は、生と死の関係を表現するものだ。たとえ、それが喜劇であろうと、怪獣映画であろうと。

そのような覚悟のない人が映画を撮ることはナンセンスである。