gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 ゼラチンシルバーLOVE

砂漠に生きる昆虫オニマクリスプラナの生態にヒントを得て撮られた作品だそうだ。昼間は砂の中でじっと耐え、夜になると出てきて逆立ちをする。そうして、動かずに夜露の一滴が体をつたうのをひたすら待ち、それをようやく口にすると、陽が昇り焼き殺される前に砂の中に潜る。その繰り返しの毎日らしい。

環境の厳しい場所であるほど、生物は規則正しい生活を強制される。その規則にほんの少しでも狂いが生じたとき、オニマクリスプラナが太陽に焼かれて死ぬように、全てが狂い、死に至る。

永瀬正敏はオニマクリスプラナ。宮沢りえは太陽。

狂いが生じることが、生きることであり、生きることは一瞬にして終わる。