小学校高学年のころ、放送部員だった。
給食の時間は放送室に入って、好きなレコードをかけて、好きな文章を読んだ。今振り返っても不思議なくらい自由だった。
読む文章は、放送室に置いてある本から選んだ。笑える文章をいつも選んだ。
今でも覚えているのは、こんな話だ。
オネショをしてしまった僕は、ばれないようにそーっとパンツを脱いで、洗濯かごに投げ入れようとしたら、寝ている兄弟の顔に命中した、という話。
(どうして、こんな文章が放送室に置いてあったのだろう?!)
放送中に自分で笑い始めてしまい、最後まで読めなかった。最低の放送部員だったが、楽しかった。
誰にも咎められなかったのは、きっと誰もが「自分が読んだって笑ってしまうにちがいない」と思ったからだろう。