gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

工場が爆破される




「明朝、近くの工場が取り壊しのため、爆破されます。みなさん、見に行きましょう。」

ニューヨーク州立大学建築学部のオットー教授が、いつもの弾んだ声でアナウンスした。

明朝、工場の前の道路には人だかりができていた。子供からお年寄りまでいる。

この工場で、かつて働いていた人も混じっていただろう。それぞれがどんな思いで、この風景を見つめたのか。

ほんの数秒で、工場の上半分が消えてしまった。