gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

ソウル

タイを旅行した後、飛行機は韓国のソウルを経由した。そこで2泊3日を過ごす予定になっていたことをすっかり忘れていた私は、たじろいだ。残金が1万円しかなかったのだ。

飛行機は夜、ソウルへ到着。とりあえず安い宿を探さなければならないが、ガイドブックはない。1986年のソウルは英語も日本語もほとんど通じない。ソウル市街を歩いて、とりあえず言葉を理解してくれるかもしれない若い人を探した。しかし、通りがかりの人に「cheeper hotel」が通じたところで、一泊1万円くらいの立派なホテルしか教えてくれない。食費なども考えると2000円以下のところを見つけなくてはならないのに。

若いスタッフがたくさんいる小さな電気屋さんに入って、英語と日本語で話してみたが通じない。身振り手振りでどうやって何を伝えたかも忘れてしまったが、みんな親切に自分につきあってくれた。そして、そのうちの一人が「ついてきて」と連れて行ってくれたのが、1500円くらいで泊まれる温泉マークの宿泊所。オンドルになっていて、床が暖かい。が、いかにも場末な感じの、いわゆる連れ込み宿という風情。

OK。全く問題なし。これで日本に帰り着ける。いや、なんだかもう日本に帰り着いたような気分だ。