gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

絶対零度

「温度は、物質の熱振動をもとにして規定されているので、下限が存在する。それは、熱振動(原子の振動)が小さくなり、エネルギーが最低になった状態である。この時に決まる下限温度が絶対零度である。」(wikipedia

全てのものが死に至るであろう絶対零度(-273°)は、現実には到達不可能な温度らしい。

バッファローという北国に住んでいるときに、1月の夜中、半地下にある大学の研究室で一人、机に向かいながら、ふと、外の温度が限りなくどこまでも下がっていき、外にある生物がどんどん死んでいくことを想像して、戦慄を覚えたことがある。

例えば、電気エネルギーによってお湯を沸かせるが、沸いたお湯自体から電気エネルギーは生じないように、熱エネルギー(温度)は、エネルギーの質としては最も低いものであり、エネルギーの移動の最終形態である。

その最後の砦としての温度が拡散し、失われていくことについて想像したのである。

温度が失われることに対して、生物は根源的な怖れを抱いてきただろう。


会社へ歩く途中に、何人ものホームレスの方を見かける。何もできないが、今日が温かい日であることを祈る。