gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

山手線の使い方

私の記憶が正しければ、森敦は芥川賞受賞作「月山」を山手線の電車の中で書いたらしい。

朝から晩まで電車で東京を何周もしながら、高度な思考が紡ぎあげられたことを思うと愉快だ。まわりを見回せば、実はそんな人がいるかもしれない。

私も、もろもろの考えごとを山手線の電車の中でやってみたい、と思う。冷暖房完備で、必要なお金は最寄り駅までのキップ代のみ。のどが乾いたり、腹が減ったり、トイレへ行きたくなったり、という問題は、ほとんどの駅の構内で解決できる。眠くなれば、寝てもよい。頭がクリアになったところで、また考え始める。好きなだけ考え続ければよい。どこまで行っても、終点はないのだから。

現在は、都営大江戸線という手もある。東京生活の魅力はこんなところにもある。