gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

標準化について

つくる人間は誰しも「一」にこだわりたい、という気持ちを持っているだろう。同じものをいくつもつくりたいと考えているアーティストはいない。

空間づくりは場所の条件がひとつひとつ違うから、ふつうにやればプロセスも結果も「一」にしかならない。だから、通常、そのことで悩むことは少ない。

しかし、空間づくりの仕事にも大量生産品的なアプローチを求められることがある。チェーン展開のお店などはそのひとつである。

クライアントがはなから空間の標準化を望んでいる場合は、「一」にこだわる私たちの出る幕はない。だが、チェーン展開のお店でも「一」にこだわりたいというクライアントが増えている。

もちろん、0か100かという極端な話など世の中には存在しない。私たちだって、日々、作業効率のアップなどについて考えているし、つくりの標準化が必要な部分はたくさんある。それがあって、初めてこだわる部分に魂を込められる環境が整う。

標準化に対して、私たちはポジティブである。なにせ、私たちはグリッドフレームというシステムパーツの会社から始まっているのだから。

私たちにとって、標準化とは、「一」にこだわるものづくりのためにある。