gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

町の陰気くさい場所を明るくする方法

東京のど真ん中に住んでいても、散歩をすれば陰気くさい場所はたくさんある。

私は、なんだか良くない感じのする場所の写真を撮って、その根っこについて考えるのが好きだ。そして、自分たちだったら、何ができるだろう、と考えてみる。

道路がぼろぼろだったり、民家の塀が壊れかけていたり、街灯が消えていたり、そのように見える物理的な原因を探すことは簡単だが、陰気くさいのは、結局、人の醸し出す空気である。

どんなにぼろぼろでも、陽気な会話や笑い声が聞こえてくれば、そこは安全で幸せに満ちた場所である。私が子供のころは、道端はもっと陽気な会話であふれていたような気がする。

いや、むしろぼろぼろであるからこそ、人のエネルギーがストレートに感じられるのかもしれない。

ちょっとイマイチな場所でのお店づくりを依頼していただくと気合が入る。私たちがつくる空気が、町に活気を与え、周囲を変えていけるかもしれないからである。

私たちのクライアントのエネルギーがすごく高ければ、そのエネルギーを周囲へ伝えることである。

気持ちが沈んでしまうような通りであれば、ここを通った人を必ず笑わせてみせる、といった意気込みで何かの仕掛けを考える。

一つ一つの店舗をかっこよくつくる、ということのもっと上を考えなければ、世の中は良くなっていかない。