集中力を失っている陽向に病院で処方されたのは、気力を失わせてしまう鎮静剤だ。
短期的に症状を抑える。根本は改善しない。いや、それどころか悪化していく。
いわば、世間体と引き換えに気力を失わせる薬だ。
ぼくらからしたら、それはとんでもない誤診だ。
目的を誤っている。
大事なのは気力だ。世間体など優先順位はずっと下に過ぎない。
だが、日本という国の大多数はきっと世間体の方を優先するのかもしれない。
誤診による薬物被害の報道も絶えない。
医療の世界には大きな闇が巣食っているように映っている。