20年前に遡ることができたら、きっとそのころよく喋っていた言葉で、今はほとんど言わなくなった言葉を発見するだろう。
その言葉を思わず使ってしまう自分を恥ずかしく思って、いつのまにか言わないでいられるようになった言葉がきっとあるはずだ。
自意識が強かった若い頃、それを捨てて、自然体になりたかった。そして、それを捨てようとするほど、自意識は次から次に溢れ出てきた。それは、主観的にも客観的にもちぐはぐなものであり続けた。
だが、なりたい自分になれない、ということが、その落差が、つくるエネルギーに転換されてきたのではなかっただろうか。
年を重ねるほどに、ボキャブラリーは削られ、言葉はシンプルになっていく。もはや、20年前のように、なりたい自分があるわけでもない。
つくるエネルギーは、自分の殻を出て、世界とつながろうという想いから来るように変わっただろう。
「どうして地球は丸裸なんだろう?全ては、何かの中にあるのに・・・。」
映画「ラウンド・ミッドナイト」の中の、年老いたデイルの言葉に深く共感する。