gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

モロッコ・フェズ

フェズのメディナ(迷宮)を歩きまわると、10歳くらいの少年が声をかけてくる。ガイドをして、お金を稼ぐためだ。

道に迷うことが趣味な私には、ガイドは必要ない。だから、「友達としてなら、一緒に歩こう」と提案すると、「わかった」と言う。とにかく、二人で友達として歩くことになった。

とはいえ、大した会話をしたわけではない。私は風化した壁やドアが気にいると立ち止まり、好きなだけ眺めては、写真を撮った。彼は不思議そうな顔をして、横でそれを見ていた。見知らぬアジア人の行動を見ているのは退屈ではなかったようで、1時間以上、一緒に歩いた。いい笑顔をしていた。

メディナの出口で、さわやかに握手をして別れた。彼には、稼ぐ必要があることを想像すると、少し心配になった。

だが、きっと、次の瞬間には、ガイドとして他の旅行者に元気に声を掛けているだろう。がんばって稼げよ、マイフレンド。