人は現在からの視点で、過去を振り返り、現在をつかもうとし、未来を予感しつつ生きている。
果たして、いい人生を生きるには、それぞれに意識が向く割合をどのくらいに設定すればよいのだろう?
ここのところ、それをよく考える。「何のために生きているのだろう?」という根源的な問いに関係している、と思う。
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「今が一番大事」という言葉を実践しようとして、意識を現在に集中するために、いろんなことをやってきた。
たとえば、地球儀の上で迷子になることにトライしたことがある。迷子は未来を予測できないからだ。
オランダから地図を持たずに、ただ目の前の道を進んだ。そうすれば、道端の草1本1本を愛でながら歩くことができるに違いないと思ったのだ。
だが、迷子はすぐに未来を探そうとする。標識に目が行く。夕飯時にはその町までたどり着かねばならない、と歩くスピードが上がる。
気がつくと、道端の草など全く無視している。
迷子になるのは、そんなに簡単じゃない。
(つづく)