gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

霊能者

ずいぶん前の話だが、いわゆる霊感の強い人に出会ったことがある。その人は、自分に語りかけてくる目に見えない誰かの言葉を解釈し、私の未来を予言してくれたりした。

私はその予言を信じるわけでも疑うわけでもなかった。しかし、それは自分の中に言葉として残り、当時の自分を勇気づけてくれたような気がする。

結局、その予言は当たらなかった。当たらなかったことに対しても、その人に対しても、がっかりする気持ちはなかった。その人は、目に見えない誰かが私について語るのを聞いて、私にその内容を伝えようとしてくれただけである。その人に悪意は全くないし、目に見えない誰かが全知全能の神である保証などどこにもないからである。

ふつうの人には見えないものが見えて、聞こえないことが聞こえる、というその人にとっての現実を生かそうとする姿勢に私は共感する。