カーペットにぜひこの柄を、とクライアントに見せられたのは植物の模様。調べてみるとアカンサスという植物の柄だった。
アカンサスは、古代ギリシア時代から現代にいたるまで、コリント様式の柱の装飾に始まり、絨毯の柄、モールディングなど内装によく用いられている。
19世紀にアーツアンドクラフツ運動を起こしたウイリアム・モリスも上のようなアカンサスの壁紙をデザインしている。
ギリシアの国花でもある。まさに、ヨーロッパを代表する草花だ。実物はどんな姿をしているのか、と思ったら・・・
・・・なんとも地味な感じが・・・。この雑草のような植物がなぜこれほどまでにデザインに取り上げられることになったのだろう?
wikipediaには、乾燥にも、日陰にも、寒さにも強い、と書いてある。きっと広範な地域で見られる、多くの人にとって親しみのある植物だったのだろう。
その姿からすると、日本人なら選ばないモチーフだと思う。ヨーロッパ人は意外に質実剛健を愛するのかもしれない。
素敵である。