gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

ヒトラーの空間感覚

このところ、急に歴史を知りたいと思うようになった。

 

毎日のように、YouTubeなどで聴いたことをきっかけにWikipediaで調べたりしている。

 

例えば、今日ランニング中に聴いたのは、ヒトラーについて(石田勇治氏の講義)だ。

 

ヒトラーは劇場建築の建築家になりたいと思っていた。様式美を政治闘争の場に持ち込んで成功した。かっこいいもの、秩序だった美しいもの、一糸乱れぬマスゲームを好む。それに適応しない人を排除する。

 

この空間感覚が基になって、以下の性格に派生しているのではないか。独善家で冷徹。一方で、日和見主義。保守エリートには近づき、左翼エリートを徹底して排除する。普通の人。演説には、大衆を引き付ける圧倒的な才能があり、そこで語られる内容には嘘が多い。

 

彼の空間感覚を私は嫌悪する。彼の空間感覚は閉じているからだ。特定のコミュニティをつくり出し、その中でぐるぐる回るに過ぎない。そこに、出口はない。

 

もちろん、彼のような人間が権力を持ったら、SOTOCHIKUを唱えるぼくなんて唾棄すべきものとして排除されただろうが、それは大した問題ではない。現在の世界中のどの権力者の空間感覚も、ヒトラーとそんなに違いがあるかどうかは疑わしい。

 

大事なことは、権力者の空間感覚が開いているかどうか。その点に尽きる。

 

自分の思考と感性を社会に問うことができる時代にいることは喜ぶべきことだが、ヒトラーの頃との違いは、小さな光が暗闇の向こうに見えているかどうかに過ぎない。