gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

万葉の時間

夜明けのことを「夜のほどろ」と表す歌が万葉集にある。

 

「ほどろ」とは、解く(ほどく)、施す(ほどこす)、迸る(ほとばしる)であり、「ゆるみ、くずれ散るさま」を意味する。動かない固い暗闇が朝陽に融けて崩れ散る動的な様子を表すのが「夜のほどろ」だった。

 

 

「時」は解き、あるいは融きだという説がある。 永遠性は解体され、その瞬間に「時」が生まれる。

 

そして、解かれたものはやがて、また結ばれ(=「むすび」)、固まって動かなくなる。

 

時間は、生まれて、消えることを繰り返す。