ぼくは、スマホが行き渡るずっと前から、いつもカメラを持って、心を惹かれる何かに遭遇したら、パシャリとシャッターを押す生活を続けてきた人を複数知っている。
歩く。何かに出会い、心が動く。その瞬間に写真を撮る。現像する。写っているものを初めて出会ったように見入る。
記憶を遡らない。つまり、2度出会うことになる。
一度目の出会いと二度目の出会いは、別々の出会いだ。質も量も、そして見ているものも違う。
一度目は瞬間的、運命的な発見。
二度目は時間をかけて、味わい、思考しながらの発見。
当然、自分に残って、養分になるものも違う。
カメラを別のものに変えたとしても、何かとの出会いは、必ず2回あると思っていい。