夜8時過ぎに土気を出て東京へ帰ろうとすると、車のガソリンが足りないことに気づいた。
それから、陽向にスマホを任せて、近くのガソリンスタンドまで道案内が始まった。
陽向の言うがままに運転すると、道がどんどん狭くなってくる。林道みたいな狭い道には、大きな水たまりがあって、まるで川を渡るような場所まで現れた。
そんな冒険みたいな場所になるほど、二人のテンションは上がる。
1時間も走ってたどり着いたガソリンスタンドは営業時間を終了していた。
再び、テンションを上げて、次のスタンドへ。
結局、2時間かけて、ようやく点灯されたスタンドの看板が見えたときには、二人で大声を上げた。
傍から見れば、あほらしい珍道中に違いないが、陽向との真剣な協働は、なにより愉しい。